2010年12月04日

想い出…ばあちゃんのちゃんちゃんこ

『いなかっぺ大将』のアニメソングがラジオから流れてきた。
懐かしさと共に、小学生の頃の、ある出来事を思い出してた。。




小さい頃の私は、ばあちゃんと暮らしていて
リヤカーをひいて魚を売ってたばあちゃんについて回ってた。

彼女の名前は、「鈴木タケノ」
竹野鮮魚のルーツです。


ばあちゃんが引退したのは、私が5年生の頃。
もちろん、父の代になってからも時々お店には出てたけど、
時間もたっぷりできて、
それまでできなかった編み物などの趣味も増えて
ちゃんちゃんこ等も、次々作ってみんなにプレゼントしてた。



その出来事が起こったのは、
年末の、魚屋が一番忙しい時!
私も、もちろん駆り出されてのお手伝い。

朝から、ばあちゃんが嬉しそうに抱えてきたのは
手作りの新しい黄色いちゃんちゃんこ。

お手伝いする私が寒くないように・・・と綿をたっぷり入れて
急いで作ってくれたらしい。

両親も周囲のお店の人たちも
「暖かそうね。よかったね。似合うよ。」と口々に褒めるけど、
私は、内心とっても恥ずかしかった。

ちょうど、おしゃれに興味が出る年頃。
部屋の中では、ばあちゃんが作ってくれたのを着てたけど、、、
やっぱり、、外では、ちゃんちゃんこなんて来たくなかったのが本音だった。。。



そんな中、同級生の男子が、お母さんと弟と一緒にお店に現れた。
お互い、ちょっとはにかみながら「よぉ!」と挨拶したんだけど、
その直後、彼の弟が
「だれ?この人? いなかっぺ大将?」
と言ったのを聞いて
カァーっと顔が熱くなる。心臓がバクバク波打つ。
  (やっぱり! そう見えるんだ!)

急いで奥に行って、着ていたちゃんちゃんこを脱いだ。
涙は、一生懸命こらえて・・・。


寒くないから!と言い張る私に、何も知らないばあちゃんは
「寒かろうに。着てればいいとに。」と優しく言ってくれる。

だって、恥ずかしいもん・・・と呟いた時に、母が、
「なんの恥ずかしかろ! 子供のくせして!」と叱ったのと同時に
我慢してた涙があふれてしまった。
「こがんと、いらんっ!! ばあちゃん、もう作らんでっ!!」と
ちゃんちゃんこを投げ捨てて
泣きながら走って帰ってきた。。。


ばあちゃん・・ごめん。
ばあちゃん・・ごめん。
心の中では、わかってるけど、、、とうとう謝れなかった。。。



それから体調を崩して、ばあちゃんは、ちゃんちゃんこ作りもできなくなったけど、、

綿がいっぱい入った暖かいばあちゃんの手作りちゃんちゃんこ
本当は大好きだったんよ。
今は、もう。。無いのに、
また着たいよ。。。ばあちゃんのちゃんちゃんこ











諌早  大型いけす 刺身・鉢盛り・結納鯛・新鮮 竹野鮮魚店 
posted by 竹野鮮魚 at 17:47 | Comment(4) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
いつもコメントありがとうございます♪

そうなんですよ!
トイレの神様、最近聞いて、、
よく似てるなぁ。。って思ってました。


ばあちゃんが入院中の口癖は
「死んでから石に手をあわせるより、生きてるうちにいっぱい会いに来てくれんね。」でした。

やっぱり、、、
生きてるうちに・・・って後悔はたくさん。。

でも、今度の休みにはお墓参りに行って来ようっ!


Posted by 謎のセラピストさんへ。misa at 2010年12月06日 22:22
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