竹野鮮魚 鮮魚主婦ミサ姐です。
今日はちょっと長い投稿になりますが、お付き合いください。
うちのような商売をしていると、
常連さんとお友達のようには喋るけど、
どこの方なのか名前も知らない事も多い。
その彼女もそんな一人だった。
「いつもうるさくてゴメンねー。ここは誰にでも紹介したいとさ〜!」と、色んなお友達を連れてきてはコロコロ大声で笑って、明るい会話でランチを楽しまれる。
たぶん私と同年代くらいだろう。
SNSもされてないようなので、それ以上の事はわからない。
しばらく見かけないなぁと思ってた先日、
ご主人に連れられてやってきた彼女の姿に、二度見した。
あれほど元気そうだったのに、車椅子だったのだ。
いや、、骨折や外科的な症状では無さそうで、、、。
ビックリして「どうしたと〜??」と聞くと
「やっと退院できたけんさー。夢にまで出てきたココの魚を一番に食べに来たとよ。」と
笑う彼女。
退院したその足で、立ち寄ってくれたとの事。
「もう、やっぱりホント美味しかっ! 本当、美味しかった〜!」と連発して
お刺身と煮魚定食をペロリとたいらげての帰りがけ
自分の帽子を指さして
「ほら〜。こんなんなっちゃったよー!」と
いつもの笑顔でコロコロ笑っていた。
そう、、、
あきらかに帽子の下には毛髪がなかった。
一目で、放射線治療の副作用だとはわかったけれど、
今はそれでもしっかり治療すれば完治する時代。
「大丈夫〜! こんだけ食欲があれば〜(笑)(ノ´∀`*)
顔色も良かし、第一痩せとらんしぃ〜〜(笑)
退院おめでとうね。また、待ってるけんね〜!」と
いつもの調子で返答して後姿を見送った。
入院中、うちの事を考えてくれていたんだな・・と思うと
本当に嬉しかった。退院後の最初の食事だったなんて。
そして、、
それから10日後の今日。
ランチで満席の店内、一人の男性に定食を持っていったところに声かけられた。
「プライベートなことですが、ちょっといいですか?」と。
「先日、車椅子で連れてきた家内ですが、あれから3日後に亡くなったんです。」
え?! まさか?!!
あの日は、彼女にばかり気をとられ、ご主人がどんな方だったのかさえ記憶にない。
いや、、あの後も車椅子の方、たくさんいらっしゃったし、、、
彼女じゃないはず。。いや、彼女であってほしくない。
心臓がドキドキする。
スマホを取り出して、男性が写真を見せてくれた。
そこには、コロコロ笑っていたあの彼女の笑顔が・・!
周囲のお客様に気づかれないように、、と思ったが
涙は、、、
ブワッと出てくるという表現が正しいのかもしれない。
お辞儀をしたふりをして腰を曲げて、ただただ涙が止まるのを待っていた。
やっとの思いで「そうだったんですね。ご愁傷様でした」と言うと、、、
ご主人は「退院したら竹野の魚を食べたいって、ずっと言ってたんです。
ここからの帰り道も(もう思い残すことはない)って言いながら・・」
そうだった。。思い出した
彼女と会話したあの日も確か、同じ事を聞いたんだった。
「なーに弱気な事言うてるとー?” 今からまた来たらよかたい。」と
笑い飛ばしたんだ。
あれが最期になるのなら、もっと優しい言葉をかけてあげればよかった。
いつも好きだったアレもコレも食べさせてあげたかった。
人生の最後の食事がうちのランチだったなんて、、、
ありがたくて、寂しくて、悲しくて。
ご主人は
「家内が言ってたとおり、本当に美味しいですね。
ココにだけには、ご報告しておかなきゃと思いまして。。
また自分だけでもちょくちょく寄らせてもらいます。」と
丁寧にお辞儀をして帰っていかれた。
住んでる所も名前さえも知らない、常連さん。
だけど、想いは通じていたよね。
最期まで笑顔だった彼女から教わったもの・・
最期まで好きでいてくれた竹野鮮魚の魚。
まだまだずっと言いたかったな・・
「ありがとう! また来てね!」
ご冥福をお祈りいたします。
今日はちょっと長い投稿になりますが、お付き合いください。
うちのような商売をしていると、
常連さんとお友達のようには喋るけど、
どこの方なのか名前も知らない事も多い。
その彼女もそんな一人だった。
「いつもうるさくてゴメンねー。ここは誰にでも紹介したいとさ〜!」と、色んなお友達を連れてきてはコロコロ大声で笑って、明るい会話でランチを楽しまれる。
たぶん私と同年代くらいだろう。
SNSもされてないようなので、それ以上の事はわからない。
しばらく見かけないなぁと思ってた先日、
ご主人に連れられてやってきた彼女の姿に、二度見した。
あれほど元気そうだったのに、車椅子だったのだ。
いや、、骨折や外科的な症状では無さそうで、、、。
ビックリして「どうしたと〜??」と聞くと
「やっと退院できたけんさー。夢にまで出てきたココの魚を一番に食べに来たとよ。」と
笑う彼女。
退院したその足で、立ち寄ってくれたとの事。
「もう、やっぱりホント美味しかっ! 本当、美味しかった〜!」と連発して
お刺身と煮魚定食をペロリとたいらげての帰りがけ
自分の帽子を指さして
「ほら〜。こんなんなっちゃったよー!」と
いつもの笑顔でコロコロ笑っていた。
そう、、、
あきらかに帽子の下には毛髪がなかった。
一目で、放射線治療の副作用だとはわかったけれど、
今はそれでもしっかり治療すれば完治する時代。
「大丈夫〜! こんだけ食欲があれば〜(笑)(ノ´∀`*)
顔色も良かし、第一痩せとらんしぃ〜〜(笑)
退院おめでとうね。また、待ってるけんね〜!」と
いつもの調子で返答して後姿を見送った。
入院中、うちの事を考えてくれていたんだな・・と思うと
本当に嬉しかった。退院後の最初の食事だったなんて。
そして、、
それから10日後の今日。
ランチで満席の店内、一人の男性に定食を持っていったところに声かけられた。
「プライベートなことですが、ちょっといいですか?」と。
「先日、車椅子で連れてきた家内ですが、あれから3日後に亡くなったんです。」
え?! まさか?!!
あの日は、彼女にばかり気をとられ、ご主人がどんな方だったのかさえ記憶にない。
いや、、あの後も車椅子の方、たくさんいらっしゃったし、、、
彼女じゃないはず。。いや、彼女であってほしくない。
心臓がドキドキする。
スマホを取り出して、男性が写真を見せてくれた。
そこには、コロコロ笑っていたあの彼女の笑顔が・・!
周囲のお客様に気づかれないように、、と思ったが
涙は、、、
ブワッと出てくるという表現が正しいのかもしれない。
お辞儀をしたふりをして腰を曲げて、ただただ涙が止まるのを待っていた。
やっとの思いで「そうだったんですね。ご愁傷様でした」と言うと、、、
ご主人は「退院したら竹野の魚を食べたいって、ずっと言ってたんです。
ここからの帰り道も(もう思い残すことはない)って言いながら・・」
そうだった。。思い出した
彼女と会話したあの日も確か、同じ事を聞いたんだった。
「なーに弱気な事言うてるとー?” 今からまた来たらよかたい。」と
笑い飛ばしたんだ。
あれが最期になるのなら、もっと優しい言葉をかけてあげればよかった。
いつも好きだったアレもコレも食べさせてあげたかった。
人生の最後の食事がうちのランチだったなんて、、、
ありがたくて、寂しくて、悲しくて。
ご主人は
「家内が言ってたとおり、本当に美味しいですね。
ココにだけには、ご報告しておかなきゃと思いまして。。
また自分だけでもちょくちょく寄らせてもらいます。」と
丁寧にお辞儀をして帰っていかれた。
住んでる所も名前さえも知らない、常連さん。
だけど、想いは通じていたよね。
最期まで笑顔だった彼女から教わったもの・・
最期まで好きでいてくれた竹野鮮魚の魚。
まだまだずっと言いたかったな・・
「ありがとう! また来てね!」
ご冥福をお祈りいたします。